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長澤知之「茜ヶ空」

SILENTSIRENレビュー、その1。

★1.茜ヶ空

SILENT SIREN

SILENT SIREN

  • アーティスト: 長澤知之
  • 発売日: 2009/08/05

「茜ヶ空」はわりと新しい曲らしい。
これはねー、イントロのエレキとアコギからもうたまんないね。夕暮れ時に立ってるような気分になっちゃうんだもん。すごいな~

長澤くんの歌い方にドキッとする。♪ 突然 っていうところがたまらなく好き。
メリハリのつけ方が上手だよね。こんなに1曲の中で変わる表情豊かなボーカルも珍しいかと。 
これはきっと意図的に歌い分けてる。だって、この歌には不安な僕とヤケになってる僕がいるんだもん。

夕暮れ時はどことなく不安な気持ちになる。自分だけ置いてかれそうな感覚。
でも、この僕は怖くないっていうんだ。不安だけど、君と一緒にいるし、未来があるからって。

茜ヶ空。今日が終わるとき。僕は、すぐやってくる夜ではなく、その先に訪れる明日、未来に目を向けている。

前にも話したけど、私はその曲がある程度自分に馴染んでくるまで歌詞を見ない。聴覚から残る言葉って、けっこう重要だと思うんです。それで、今回この歌の中で一番残ったのがここ。

言葉のないエレジィみたい 無為に生きてるわけでもない

はじめっから何も無いんだよ 僕らには未来しかないんだから

このフレーズって、この歌を象徴していると思う。後半の【はじめっから何も無いんだよ 僕らには未来しかないんだから】は、長澤くんらしい救いの言葉。

でもね、もう少し深読みしてみると、実はけっこう悟ってるかもって思う。妙にひっかかるんだよね。はじめから何もない。僕らには未来しかない。「未来しかない」は、普通に捉えれば前向きな意味の未来。だけど、未来の未来、そのまた未来・・・と考えていくと、それはやがて死につながるんだよね。そう思うと、ズキっと刺さります。過去には戻れないし、こうしてる間にも確実に死に向かってるけど、僕たちは今を生きていくしかないんだよって言ってるようにも思えてくる。

この曲でミニアルバムが始まることは意外でも何でもない。ここから始まるSILENTSIRENの世界がとても好きです。しかし、彼の言葉って独特で妙に説得力があるんだよなぁ~