つきのいろ

音楽のはなし(旧ブログより移行中)

【Keyword】 虹

長澤くんと藤くんの対比、第2回目のキーワードは 【虹】
前回よりも短期間で書けた~♪それ故たぶん公開後にもちょくちょく修正が加わると思います。今回は、熱が冷めないうちに突っ走ってみました(笑)

私はTwitterとかで、長澤くんの音楽は [ 生 ] でBUMPの音楽は [ 死 ] だ、と言ったことがある。それをよく表しているのが今回のテーマです。実は、両者の対比が本格的に始まったきっかけになったひとつがこの虹。(もうひとつは迷子)
虹については、両者ともにまだわからないこともあるのですが、現時点で見えていることを書いてみます。

 

【藤原基央(BUMP OF CHICKEN)の虹】

今年に入って既出作品を聴き進める中で、早い段階から気になって「ゼロ」との関連性を探っている曲に、虹が出てくるものがある。

涙と涙が出会ったら架かる 弓の唄
行きたい場所は全部廻った後で また会えたら
荷物の無い体ふたつで その弓を渡ろう
あんなに近い ずっと遠い あの雲にのぼろう
BUMP OF CHICKEN 「arrows」2007/12/19 Album 『orbital period』

この抜粋部分は歌のしめくくりで、藤くんのボーカルがとても素晴らしいところ。ここ、歌詞だけ見てみても死のにおいがしてきませんか?実際に聴いてみないと難しいかな?ここには虹という単語は出てこないんだけど、歌詞から [ 弓 ] が虹を指しているとわかる。そしてその弓を渡るのは、荷物の [ 無い ] 体。しかも [ ふたり ] ではなくて [ ふたつ ] というのがとても引っかかる。弓を渡るときはもう人(生物)ではないのかなと思う。[ 涙 ] と [ 荷物 ] はBUMPの歌によく出てくるワードなので、余計に気になるんです。たくさんのキーワードが入り組んでいてとても興味深い曲。タイトルのarrowsは矢のこと。そして虹を弓と歌う。矢と弓。これについて「何だろうなぁ?」とずっと思っていてね。最近やっと見えて、図に書いてみたところなんだけれど、まだまだそれ止まり。今は無理だけど、「arrows」のレビューは「ゼロ」の前に必ずやろうと思っています。

ちなみに、初期の曲「ハルジオン」にも虹が出てくるけれど、この歌の虹は私には普通の虹にしか見えていないので(笑)今回の対象からは外します。この頃の曲たちは、全体像があまり見えてこなくて、この曲も【虹を作ってた】って部分しか印象になくて広がらないのです(苦笑)好きな曲ではあるんだけれどね。

 

【長澤知之の虹】

虹 僕は虹を刻む
あんまり素敵じゃない世界で
長澤知之「あんまり素敵じゃない世界」2012/06/06 Mini Album 『SEVEN』

初めてこの歌を聴いたとき、「虹を刻む?え?刻んじゃうの?ひょえー!!?」って驚いたなぁ。BUMPの「ゼロ」や「arrows」にハマッている最中だったから。でも、【君が望んでくれるなら、この灰色の空に どんな経験も褪せるような旋律を刻めるのに】の「旋律を刻む」という表現から、ああ音楽のことを言っていたのかぁってわかって安心したんだけど(笑)【虹を刻む】とは、ギターで音を刻む、メロディを刻むってことで、ここでは虹=音楽という解釈で良いと思う。長澤くんにとっての音楽は、かつては救いだったり、今では存在証明のようなもの。音楽があったからこそ部屋から出られたと言っているし、生きていく上で欠かせないものだと思う。

SEVENでは音楽を虹に例えて、虹の7色から7曲入りで。いろんな色をした音楽を聴かせたいっていうコンセプトなのかな。「幸せへの片思い」の【ステンドグラスの七色の光】も虹を連想させるフレーズだね。ステンドグラスといえば教会だけど、教会のステンドグラスは虹を模したものなんだって。キリスト教では虹は「神との契約」「約束の徴(しるし)」って意味があるらしい。神様からのメッセージとされている虹、かぁ。宗教的側面は長澤くんの音楽にじんわり表れるポイントだと思うんだけど、私はほとんど無知だから、これくらいしか言えないかな。何を示唆しているのかとか捉えにくい感覚と頭。うーん残念。

このように、長澤くんの描く虹は曲によって色々な面というか意味を持ち合わせているのかなって思う。 

 

【共通するワード:虹の麓】

虹について比較したところで、【虹の麓】というワードにも注目したい。長澤くんの曲では「夢先案内人」、BUMPでは「ゼロ」に登場してきます。出会った順(=リリース順)は夢先~→ゼロでした。「ゼロ」で【虹の麓】という歌詞を耳にしたとき、真っ先に長澤くんの「夢先案内人」が頭に浮かんで、ドキドキしたものです。

運転手さん 僕なんかに道を訊かないで あなたもプロだろ?
僕を正しい近道に導いて 人里離れた虹の麓へ
長澤知之「夢先案内人」2011/04/06 Album 『JUNKLIFE』

「夢先案内人」については、以前レビューをしたね。久しぶりに読んでみたら、ああこんなこと書いたんだぁって思います(笑)一通り目を通してもらえるとわかるけれど、そこでは、虹の麓に僕が求めている「確かなもの」があるのかなって書いてる。おいおい、それって前回のテーマやないかい!←  しかも、こないだ書いた内容とちょっと矛盾してへんか?っていう内容で(爆笑)あぁ、でも、そうでもないのかな、面白いなぁ。 

 

終わりまであなたといたい それ以外確かな思いが無い
ここでしか息が出来ない 何と引き換えても 守り抜かなきゃ
架かる虹の麓にいこう いつかきっと 他に誰も いない場所へ
BUMP OF CHICKEN 「ゼロ」2011/10/19 Single

「ゼロ」は死生観を歌っている風に聴こえるせいか、〔 終わり 〕や〔 他に誰も いない場所へ 〕ってところ等から死を連想しちゃう。それは 〔 いつかきっと 〕 っていうところからも感じる。今すぐではないし、いつなのかもわからないけど、確かに通ることになるという意味から。死というと負のイメージに捉えられがちだけど、藤くんが描くものはそうではなくて。うまく表現できないけど、死のにおいがする歌は [ 命 ] という別テーマにつながっていくのかなと思っています。

「夢先案内人」と「ゼロ」の【虹の麓】の違いは、それぞれの曲の雰囲気から読み解けるんじゃないかな。「ゼロ」ではさっきも言った通り、死に近い存在として虹の麓がある。先述の「arrows」で、虹を渡る=死って感じを受けるけど、その虹を渡る一歩手前の虹の麓は、[ 終わり ] を迎える時を意味しているのかなと思ったりする。

一方の「夢先案内人」の【虹の麓】からは、死を連想することはないかな。〔 肌色の空 〕 の解釈にもある通り、あたたかさを感じる表現なので生きている世界でのことなんだと思う。虹の麓はまだ辿りついたことのない未踏の地としての存在。しかもずっとそこに在るわけではなく、辿りつけるかどうかもわからない場所、という曖昧さを含む。だからなのかゾクゾクするよね。その先がハッピーなのか怖いのかさえもわからないってところがさ。【虹の麓】という同じワードが、こんなに違う意味を持って表現されているのを知ると、俄然面白くなってくる。両者の対比、楽しいと思いませんか?

 

【まとめ…られるかな?】

ところで、両者の作品に【虹】と【虹の麓】の関連性はあるのだろうか?藤くんの歌世界では、虹も虹の麓も死に近いものとして関連があるように見えるんだけれど、長澤くんの場合はどうだろう?そもそも関連してるの?って思う。虹の麓についての解釈を「夢先案内人」のレビューを読んでから再度考えてみると、「あんまり素敵じゃない世界」で描かれる虹は、今現在の自分に在る「確かなもの」になるのかな~って思った。でも、前回のテーマになった「確かなもの」とは似て非なるものというか。今はこれ(虹=音楽)だけど、本当に見つけたいものは他にあって、それが長澤くんの本当の意味での「確かなもの」なのかなぁって。長澤くんの虹(虹の麓を含む)は、大きなくくりでは [ 生 ] を感じるものとして見えるけど、実際それぞれの曲での意味合いは違ってくるのかなぁと感じる。つまり、多様性のあるもの。今はこれ以上の説明はできないかな…

話は変わって。先日、長澤くんのワンマンライブの後にBUMPの「ゼロ」や「arrows」を聴いた。さっきまで目の前で見せてもらった長澤くんの虹。その感覚が残る体で藤くんの虹を感じたら、普段より響いてきて泣けてきた。対比される部分がより際立って私に迫ってきたからだ。そしてそのとき思ったこと。『藤くんの虹を渡ったら、今のこの世界にはもう戻れないかもしれない。でも長澤くんの虹はこの世界で生きるために欠かせないもの。だから長澤くん、虹を刻んで!!私はまだ渡りたくないんだ!!』← 両者の解釈をまぜて楽しむとこういう結果になる(笑)あー面白いっ!!

 

《虹》

★F: 死を連想させるもの。この世界とあちら側の世界との境、橋渡しする存在。

★N: 多様性、生の象徴。今現在の自分に在る「確かなもの」

 

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(2016/02校正)