つきのいろ

音楽のはなし(旧ブログより移行中)

RAY その2

アルバムRAYの感想その2。第一印象では見えてなかったことがあるので、再度書いてみる。前回の感想とは変わって、矛盾する点もあると思うけれど、書き直さないでおこうと思う。

RAY(初回限定盤)

RAY(初回限定盤)

  • アーティスト: BUMP OF CHICKEN
  • 発売日: 2014/03/12
 

今回のアルバムは、プロモーション等で前面に出てきているものに焦点をあてれば、BUMPは変わったと捉えられると思う。私も戸惑った部分があったんだけれど、面白い試みだなと前向きに捉えてはいる。その中で、音に関して言うと、RAYは聴き方にこだわりを持っている人には「あれ?…」と思えてくる部分があるかもしれない。私はこれまで通りの聴き方(WM+イヤホン)だと少し馴染めないなと感じる曲がある。最初にRAYを聴いたときは圧倒されたんだけどね。
エンジニアの発言によると、今回はCDをスピーカーで聴くことに特化して作られているようだ。イヤホンやヘッドホンといった直接耳に入る聴き方ではなく、ちゃんと空間を飛んで響く音というのを意識して作られたんだろうな。普段そんなに聴き方にこだわりがないリスナーをメインターゲットにしているのかなとも思った。こういうのってこれからはじまるツアーの中でも特に東京ドーム公演に向けてのことかなと思えたりもする。

そういうわけで、今作はそれぞれの楽曲の歌詞がなかなか捉えにくいところがあって。どうしてもシングル曲の方が力が強く、そうじゃない曲との差をサウンド面で埋めようとしているような感覚がある。私自身もこれまでの中で一番聴いているシングル曲が揃ったアルバムだから、捉え方に偏りがあるのかもしれないけれど…


でも、歌詞を見てから格段に感じ方が変わってきている。当初感じていたシングル曲との差も、今ではアルバム曲も同じくらいの存在として思えるようになった。サウンド面では変わったように見えていても、歌詞を見たら感動がいくつもあってね。予想を超えたというか思いもしないことを歌っていて、また一歩、先に進んでいたんだねって感覚。
私なりに気になる言葉をいくつもキャッチした。RAYは、「お別れ」「さよなら」「いなくなった」というように、別離が描かれていることが多い。かつていたはずの君がいない。ここでちょっと私は混乱(笑)そして、それとともに様々な「光」も描かれている。光というとどうしても自分より先で光っているものを想像してしまうけど、藤くんが描いている光は、光源が自分(主人公)の背後にある。そこでうわぁすごいや!って感動。光源、そこから伸びてくる光と自分、そしてまたその先に伸びる光と自分の影。「ray」の元タイトルが「記憶の光芒」ということからもヒントを得たけれど、それらを想像して、うっわー!ってなった。まさにRAYなんだよね。相変わらず、心と体のことを歌っているものもあって、個人的には嬉しい。他に気になったのは、「残酷」「自由」「言葉」「約束」「鏡」かな。

このアルバムを得たことで、シングル曲がまた違う表情を持って響いてくるようになっている。そういうことだったの!?と思ったりね。それまでの曲の解釈に+アルファされた感じで楽しい。おかげで私の最終目標である「ゼロ」のレビューも少し進みそうだ。
これまでもそうだったように、聴けば聴くほどBUMP曲との付き合いは長くなる。彼らの音楽は例えるならばひとつの星。その星を攻略するには、そこに浮かぶ曲という島々を渡り、旅してまわらなければならない。何かを少しずつ得て進んで行く冒険みたいな感じ。だから私はこれからもBUMPを聴き続けると思う。その星をしっかりと捉えるために。
最後に、やっぱり私は藤くんの歌声と、歌詞がとても好きだなと思った。誰かと出会い、何かを得て、そしてそれを失っても進んでいく道。生きていくこと、生き抜くということを一貫して描いている。