つきのいろ

音楽のはなし(旧ブログより移行中)

【Review】 黄金の在処

長澤知之の曲レビュー。
(2014年に公開したものを、この度書き直しました。)

 

長澤知之「黄金の在処」

黄金の在処

黄金の在処

 

2分ちょっとという短さの中で光る、たった4行の歌詞。
それだけで、曲の世界がありありと目に浮かぶ。
中でも「美々しい」という言葉がとても印象に残る曲。
私の言葉の引き出しの中にはないものだったから、思わずハッとなった。
ある種の神聖ささえ漂うほどの美しさに吸い込まれそう。

 

楽器の音も要所要所で輝いて、コーラスもとても綺麗で、ずっと感じていたいくらい。
【夕陽の帰り道】という時間帯と場所の設定が切なくも美しい。
1日の終わりを感じさせる風景、共にいる相手とのお別れも近づく…という、二重の切なさだから余計にね。

 

僕の黄金の在処を当ててみて

ここにある

その目を 髪を 美々しく照らす

夕陽の帰り道 夕陽の帰り道

問いかけのあとの【ここにある】に、胸が熱くなる。
「ここ」とはどこだろう?という想像をしていると、彼の大切にしている価値観が見えてくるような気がして。(僕=長澤くんだったとしたらの話。)

 

目の前の美しさを捉えたときに光るもの。
それをどうにか「とっておく」ことができないものかと思う。
日常の中のささやかなことから得られる、生の肯定。
時間は止まってくれないから、そのまま残すことは難しいけれど、
心の中にはずっと置いておきたい。ずっと在ってほしい。
そんなことを、この曲を聴きながら思っている。

 

 

(初出:2014-06-11)